医学部予備校レユシール

史上最難といわれた東大数学2026をAIが30分で6完する時代に数学を勉強する意義はあるのか?

入試情報by

1 東大理系数学2026について

先日、東大入試が実施され、数学が「史上最難」と言われています。僕も実際に解いてみましたが、かなり難しく感じました。ここ2年(2025・2026)で、出題の傾向が変わってきているような印象を受けます。

一言で表すなら、

「解法パターンを当てはめるような勉強をしてる努力型受験生を駆逐する」

という方向性です。
通過領域だから順像法?逆像法?といった、典型パターンをそのまま当てはめるような勉強をしてきた受験生を真っ向から否定するような、初見性の高い問題が多く見られました。

詳しい分析や今後の対策についてはまた別の機会に書きますが、大数的評価でいえばCBCCDDという印象です。個人的な体感難易度は

第5問=第1問 > 第6問 > 第3問 > 第4問 > 第2問

でした。制限時間内に第1問と第5問は正しい答えに辿りつけませんでした💦

2 知識の価値の暴落

一方で、衝撃的な事実もあります。AIが、この「史上最難」と言われた東大数学を、わずか30分で完解しました。2〜3年前であれば、東大レベルの問題はまともに解けなかったAIが、今やこのようなパフォーマンスを発揮しています。
この事実が意味することは何でしょうか。AIが急速に成長している時代において、知識の希少性は確実に下がっています。

誰でも専門的な知識にアクセスできるようになった以上、「知っているだけ」の状態には価値がほとんどありません。

極端な言い方をすれば、僕が東大を目指して何年も必死に積み上げてきた数学の知識が、今や誰でも瞬時に引き出せる時代になってしまった、ということです。泣きたくなりますよね

3 数学を勉強する意義はあるのか?

では、AIを使えばすぐに答えが得られる時代に、数学を学ぶ意味はあるのでしょうか。僕なりに整理してみました。結論、AI時代でも数学を学ぶ意義はあり、その理由は大きく3つ挙げられると思います。

1 論理的思考力が鍛えられる

「数学をやると論理的思考力が鍛えられる」とよく言われますが、それはなぜでしょうか。僕は論理的思考力を、

・条件を整理する力
・情報を順番に積み上げる力
・根拠をもって他者に説明する力

だと考えています。数学では「なんとなく」は通用しません。

例えば証明問題なら、

  1. 前提条件と証明すべき結論を確認する
  2. 同値変形などを使って論理を繋げる
  3. 結論に到達する

この流れを踏まなければ得点できません
最大最小問題でも同じです。
・何が変数か?
・何が条件か?
・何を求めるのか?
を整理しなければ前に進めません。

つまり数学は、
「条件を整理し、順序立てて考える訓練」
になっています。そして、その習熟度の一つの指標がテストの点数です。数学の点数が高い人は論理的思考ができると考えるのは妥当だと考えられるでしょう。

2 知識を持つ人と持たない人の差はむしろ拡大する

AI時代によく言われることですが、
知識を持ってAIを使う人と、持たずに使う人では、得られるアウトプットの質が全く違います。

知識がない人は「この問題を解いて」としか入力できません。
しかし知識がある人は、
・グラフによる面積評価で解答を作成する
・数学的帰納法で証明する
・必ず検算も行う
といった具体的な指示を出せます。

さらに重要なのは、AIの出力を検証できるかどうかです。AIはあくまで確率的に生成しているだけですので、間違えることもあります。その正誤を判断できるのは、最終的には人間です。この判断をするためにはやはり正確な数学の知識が必要です。

しかしAIは誰でも簡単に回答を生成できてしまうため、「AIに聞けば分かるのに、なぜ勉強するのか?」という疑問が生まれやすくなります。
その結果、
・AIがあるから勉強しなくていいと思う人
・AIがある時代だからこそ勉強が必要だと思う人
に二極化していくでしょう。

そしてその差は、今後ますます広がると思います。AIを使いこなし、高いパフォーマンスができる人とAI以下のパフォーマンスしかできないAIの下位互換の人、あなたはどちらになりたいですか?

3 大学入試科目である以上、必要である

身も蓋もない話ではありますが、大学入試に数学が課されている以上、志望校に合格したい人は学ぶ必要があります。

確かに、数学である必然性が絶対かと言われれば議論の余地はあります。しかし現状、論理的思考力を比較的客観的に測定できる科目として、数学は非常に合理的です。東大には毎年約1万人が受験します。限られた人数を選抜する手段として、数学を課すのは一定の合理性があります。別軸で評価する仕組みとしては推薦入試がありますが、一般入試においては数学は依然として重要な科目です。

4 何を学ぶかより、誰から学ぶか?

ここまで、AI時代における数学の意義について書いてきました。しかし、もう一つ大事なことがあります。それは、

何を学ぶかより、誰から学ぶか。

という視点です。今の時代は質の良い参考書や映像授業が充実し、どれを利用しても一定の学力を身につけられるような環境が整いつつあります。
また、AIに聞けばなんでも質問に回答してくれます。「知識そのもの」はどこでも手に入る時代だからこそ、本質はそこにはありません。

だからこそ、僕は

教える人の哲学を学ぶ

ことが重要だと考えます。具体的には
・なぜ数学を教えているのか?
・何を大事にしているのか
・どういう姿勢で問題に向き合っているのか
といった内容です。これらの問いその人なりの答えが授業の中から感じられる人がいわゆる「カリスマ性」とも言えると思います。僕も指導の中でこのようなことは常に意識しています。

AIは解法を教えてくれます。しかし、「どう生きたいのか?」「何を大切にするのか?」までは教えてくれません。AIに解くスピードが勝てない以上、先生の武器はこれしかありません。

AI時代だからこそ倫理観が問われる。

AIは強力な道具です。しかし前述の通り、楽な使い方ばかりしていると、自分で考える力を奪われることもあります。丸投げするのか?補助として使うのか?検証まで自分でやるのか?この違いは、知識だけでは決まりません。

そこに必要なのは、哲学と倫理観です。何のためにAIを使うのかという哲学と正しくAIを使う倫理観を持つことが大切です。そのような哲学や倫理観一番学べるのは日常生活の環境です。家族や学校の先生や友達などから学べる機会がたくさんあります。そんな中でも良質な機会を提供できるのがいわゆる「カリスマの先生」です。そんな先生から学ぶことこそが成績だけでなく、AIからは得られない豊かな人生を育む上で大切な要素になると感じています。

今やアメリカの富裕層たちはこぞって色々な哲学を勉強しているといいます。それはやはりAIに代替されない考え方の重要性を理解しているからだからこそだと思います。

5 結論

この記事のタイトルの問いに対する解答は

数学は必要だし、AI時代だからこそ必要だと思えるように勉強すべき

です。AIを使えば誰でも東大数学で6完できる時代には、どのように6完できるようになったのかという努力の過程や、なんのために東大に入るのかという生き方の哲学が大切です。そのためには自分で頭をつかって訓練する経験と多様な価値観に触れる機会が必要であり、

知識や解法だけでなく、姿勢や思想を学べる人に出会うこと

それが、これからの時代において最も大切なのではないでしょうか。

このような理念に共感し、僕と一緒に数学や人生を学びたい方を募集しています。現在私は医学部予備校レユシールという予備校をプロ講師と共同経営しており、医学部志望の受験生を中心に受験生を指導しています。実績のあるプロ講師と高い学力を誇る東大理三生講師による完全個別指導により医学部合格まで徹底的にサポートする予備校となっております。また医学部予備校という名称ではありますが、私自身の経験を活かし、理科三類以外の東大受験生の方も多数指導しております。興味をもっていただいた方は当予備校のホームページをご参照ください。

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