医学部予備校レユシール

慈恵医科数学2026年 講評

入試情報by

私立医学部受験生に人気の高い慈恵医科大学の2026年の数学の講評です。個人的にとても質の高い問題ばかりで、東大志望の受験生にこそ解いてほしいほど完成度が高いセットでした。

大数難易度
ACCC

総評

第1問の確率は確実に得点した上で、残りの問題でどれだけ粘れるかが鍵になるセットでした。従来はどの大問も(1)は取りやすい問題が配置されていましたが、今年は第一問以外すべて小問がなく、得点を重ねにくいような内容でした。数学の実力がない受験生には難しすぎますが、数学が得意な受験生なら一気に得点源にできるようなセットでした。

目標点数

数学が苦手 35点
確率は絶対に死守する
第2問のグラフを描く 第4問のQの座標を出すまでは手をつけたいところ 

数学が得意 65点
確率を完解した上で、第2問から第4問のうち1問は完解したい 残りの2問も部分点は狙いたい

大問別解説

第1問 確率 A15

毎年、慈恵医科の確率の問題は慈恵医科への挑戦権を獲得するための問題です。時間をかけてもいいので、この問題は絶対に死守しましょう。共通テストレベルの簡単な問題ではありますが、緊張した中で計算をするのはそう簡単なことではありません。出題の意図としては、緊張下で正確に数えて計算できる能力を見ているのだと思います。
大阪医科薬科の確率の問題も同レベルのことが多いため、確率の問題の練習をしたい方にオススメです。

第2問 微積総合 極限 C25

第2問は直接計算できない面積の極限を求める問題です。この手のタイプは典型問題で経験したことがある受験生が多かったと思いますが、誘導が一才ないため、自分でどのように極限を整理していくかというのができるかどうかが鍵でした。最初の関門は、x軸と曲線の交点がきれいに求まらないので、そこを自分で文字で置けるかどうかでした。 さらに文字で置いた後には 必ず満たす条件式、すなわち 曲線とのX軸との交点を連立しておいた方程式を関係性を満たしながら極限に飛ばすこの考え方ができたかどうかがポイントです。積分自体は平易なものなのでそんなに難しくありませんが、nをそのまま含めず、自分で置いた交点の座標(anなど)を使った式で極限計算できたかどうかがポイントです。このような問題は、nを大きくするとanがどのような値に収束していくかをある程度自分で予想する必要があります。大げさにグラフを書いてみたり、関係式とにらめっこをすることで、どのような値に収束するかが見えてきます。途中の計算や論章力なども含めて 総合的な微積極限の力を測ることができる良問だと思います

第3問 整数 数列 C30

初見の漸化式を実験しながら解いていく問題です。見たことない漸化式に一瞬うっとなりますが、入試問題で出題されているということは必ず解ける漸化式だと思えることが大切です。まずは実験をしてみて、漸化式の一般項を予想します。予想は難しくありませんが、最大公約数に関する正確な議論ができるかどうかで差がつきそうです。その後はcosが最大になるようなnを求めることになります。一般項が2パターン出てきますので、cosが最大=2πの整数倍となるnを3パターン考えることができればよいのです。ここの議論もしっかりできた人、できたと思って不十分な人で十分差がついたと思われます。

第4問 求積 C30

この問題は東大受験生が試験本番に完解できるかどうかで差がつきそうなレベルの問題でした。空間図形において線分がつくる空間の求積問題は東大(2020第5問、2022年第5問、2024年第5問)や東大模試で頻出のテーマですが、なかなか習得できている受験生が少ない印象です。この問題や過去問を通してこのテーマの学習をやりましょう。

Qの座標を求めるまでは基本的な空間ベクトルの問題なので、最低限求めたいです。過去の慈恵の問題でも空間ベクトルで条件を満たす座標を求める問題が定期的に出題されています。

そしてこの手のタイプの問題で一番やってはいけないのは、動く図形を想像することです。頭で考えても、わからない問題がほとんどです。しかし、図形の形がわからなくても、問題を解くことができます。解ける人の思考回路としては、非回転体の求積なので、定石通り適切な断面で切り、通過領域の問題に帰着させます。

慈恵医科の数学を解けるようにするには?

慈恵医科の数学はかなり難しく、簡単には解けるようになりません。問題だけでいえば、東大で出題されてもおかしくないような問題もあります。

確率の問題を落とさない

上記の通り、慈恵医科の確率の問題は慈恵医科に挑戦するための必要条件です。この確率の問題を間違えてしまうと厳しい話、慈恵医科の合格はほぼ不可能になると思います。過去問に限らず、標準レベルの確率の問題を確実に解けるようにしましょう。基礎問題精講や黄色チャートレベルの基本的な解法を覚えた後に確率のみを鍛えたい場合は以下の参考書がおすすめです。

おすすめの参考書 
場合の数・確率 標準問題精講

基本問題から応用問題までちょうど良い分量がまとまってのっている参考書です。全部で70問くらいなので、2週間から1ヶ月くらいでサクッと学習することができます。

部分点の取り方を勉強する

慈恵医科の数学は完解するのが難しい問題が多いため、とれるところまで部分点をしっかり取れるかが重要な鍵になってきます。一般的に数学の問題を学習する時には、最後まで問題を解き切る練習が多いですが、慈恵医科を真剣に目指す受験生は、難しい問題であってもどこまで得点すべきかを意識して勉強することが大切です。具体的には慈恵医科の過去問や、東京大学の問題、日本医科大学の問題などを用いて、この難易度であればどこまで得点すべきかの目標を自分で設定し、そこまで解き切る練習です。特に東大の過去問ですと、鉄緑会が出版している東大数学問題集という過去問があり、この参考書にはどこまで得点したら何点といった細かい採点基準も載っています。過去問を10年分終わった受験生で、数学の得点力をあげたい受験生は東大数学の問題で部分点をとる練習が効果的です。

苦手科目を作らない

一般的に医学部受験のセオリーとして、英語や理科の方が数学より得点が安定するので、英語と理科を得点源とすべきという考え方があります。しかし、慈恵医科の英語と理科は難易度が高く、得意な受験生でも安定して高得点(7割以上)はなかなか難しいのが現状です。さらに、近年の慈恵医科は科目ごとの難易度が年によってまちまちなので、特定の科目のみを得点源にする作戦はかなりリスキーです。どの科目もバランスよく仕上げ、得点のしやすい科目でしっかり高得点をとることが鍵になります。得意科目ばかり、勉強をするのではなく、苦手をなくす意識を作りましょう。

完全伴走型のサポートをする指導

現在私は医学部予備校レユシールという予備校をプロ講師と共同経営しており、東大理三志望の受験生を中心に医学部受験生を指導しています。実績のあるプロ講師と高い学力を誇る東大理三生講師による完全個別指導により医学部合格まで徹底的にサポートする予備校となっております。また医学部予備校という名称ではありますが、私自身の経験を活かし、理科三類以外の東大受験生の方も多数指導しております。。興味をもっていただいた方は当予備校のホームページをご参照ください。

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